香典と香典返しについて


※地域・慣習・宗派により一部異なる場合がございます。ご了承下さい。


 

香典(香奠)とは、 【仏式】の葬儀で故人の霊前に供える金品のことを言います。

 

香料ともいわれ、「香」の字が用いられるのは、香・線香の代わりに供えるという意味があり、「典」(奠)は霊前に供えるという意味です。

 

表書きは「御霊前」・「御香料」・「御香典(御香奠)」

●表書きを「御仏前(御佛前)」とするのは、四十九日(七七日忌)以後の弔問や法要からとなります。

 

浄土真宗は「御仏前(御佛前)」・「御供」・「御香典(御香奠)」

●他の宗派と異なり、亡くなった方はすぐに仏様のお力によって極楽浄土で成仏すると考えられるため「御霊前」の表書きは使われません。

 

宗派が分からない場合は「御香奠」や「御香料」を表書きとするのが無難です。

 

表書きはできるだけ常用漢字ではなく、典→奠・仏→佛 書くことがよいとされています。

 

 

【神式】では、香を用いないため香典とは呼びません。

「御霊前」・「御玉串料」・「御榊料」と表書きします。

 

【キリスト教】は宗派により多少異なりますが、「御花代」・「御花料」が無難とされます。

●ほかにカトリックでは「御ミサ料」、プロテスタントでは「弔慰金」とします。

 

※プロテスタントの福音派では「御霊前」を使うのは避け、「御花料」と書くのが無難です。

香典返しは、お通夜やご葬儀で故人にお供えいただいた金品(香典)へのお返しです。

 

お悔やみいただいた方々へ、弔事が滞りなく終えたことと御礼の気持ちを伝えるために贈るものですので、気持ちが伝わるお品選びが大切です。

 

 

 

地域や宗派、故人や遺族の考えによって異なりますが、ここでは「仏式」の場合の一般的な流れについてご紹介します


●亡くなった故人の冥福を祈り、遺族が喪に服す期間の終わりである「忌明け」の法要後に贈るのが一般的です。香典返しの本来の意味である、法要を無事に終えたことをお伝えするためのご挨拶状・お礼状を添えて「忌が明けた」後に贈ることになります。

 

※忌明け法要まで三か月にわたる場合があり、「四十九(始終苦)が三月(身に付く)」と縁起が悪いと考えて香典返しを四十九日法要前の三十五日(五七日)にされる場合もありますが、四十九日を忌明けとした場合、月の後半に亡くなられた方は必ず三月またぎとなります。お寺様は、ただの迷信で非科学的だと仰られますので、ご遺族様の判断ですが、三月またぎでも四十九日法要後にお返しをして問題ありません。

 

●地域によっては、忌明けを待たずに、お葬式の当日や、お斎の席で香典返しをする場合があります。忌明け法要後の香典返しを「後返し」と呼ぶのに対して「当日返し・即日返し」いい、下記のいずれかで行われていることが多いようです。

 

1.当日一律の香典返しをお渡しし、高額の香典をいただいた方へは後日改めてそれにふさわしい品物を贈る。

 

2.香典金額に応じて複数段階の香典返しを用意しておき、香典金額ごとに決められた品物をその場でお渡しする。

 

当日返しは、北海道、東北地方を中心に、関東、中部地方でも多くなっています。

一方、関西では従来からの後返しが中心のようです。

 

 

宗派により時期は異なりますが、おおよそ30~50日に「忌明け」となります。